2010年11月7日

漱石公園の猫塚(新宿区早稲田南町)〜三光稲荷(中央区日本橋堀留町)〜今戸神社(台東区今戸)

 昨日に続き都内文化財ウオーク。出かける当日に地図を眺めながら効率よく回る順番を考える。地下鉄利用で高田馬場起点に西から東へ移動することにした。

漱石公園(新宿区早稲田南町)

 地下鉄東西線早稲田駅から徒歩10分のところ。途中の早稲田小学校はなかなかレトロな建物である。漱石公園(新宿区指定史跡)は夏目漱石終焉の地につくられた。案内板によると、晩年の明治40年9月29日から大正5年12月9日に死去するまで住んだところで「漱石山房」と呼んでいた。この地で発表されたのは「坑夫」「三四郎」「それから」「門」などの代表作で、「明暗」執筆の半ばに世を去った。通称「猫塚」と呼ばれている石塔は「我が輩は猫である」の猫の墓と勘違いする人がいるがそうではない。漱石没後に遺族が飼っていた犬や猫、小鳥の供養のために建てたもので、昭和28年の漱石の命日にここに復元されたものだという。11段の石積みだが、犬、猫など11匹飼っていたということだろうか。

公園入り口の漱石胸像
復元された猫塚
 公園正面奥の道草庵という建物には漱石山房の見取り図がある。また、入り口左手に山房のベランダだけが中途半端に復元されているが、山房そのものの復元も新宿区によって検討されているようだ。なお誕生の地も早稲田駅近くの喜久井町(当時は牛込馬場下横町)にあり、これらゆかりの地を結ぶ「漱石の散歩道」コースがある。

漱石山房の見取り図が展示してある道草庵

三光稲荷神社(中央区日本橋堀留町)

 次に向かったのは日本橋堀留町の三光稲荷。芸妓が招き猫をよく奉納した神社だという。日比谷線人形町駅下車。ビジネス街の谷間にある神社なので迷うかもと思っていたが、人形町交差点から日本橋小伝馬町方面へ150mもいくと三光稲荷参道入り口があった。参道といっても薄暗い路地で20m先に立派な狛犬が出迎えてくれる。由来には『古くから娘、子供、芸妓等の参詣する者が多く、ことに猫を見失ったとき立願すれば霊験ありと云う。「三光稲荷神社参道」と銘ある石碑や境内にある猫の置物は猫が無事に帰った御礼に建立、奉納された。』とある。左に隣接する社務所脇のボックスに招き猫が30ほど奉納されていた。

裏通りからの参道と三光稲荷
三光稲荷神社
奉納された招き猫
今戸神社(台東区今戸)

 きょう最後に向かうのは、浅草の今戸神社。豪徳寺と並ぶ招き猫発祥の地として有名だ。日比谷線浅草駅で降りると、やはりスカイツリー効果なのか隅田川沿いは観光客でいっぱい。隅田川と平行する江戸通りを進み約20分で今戸神社に着く。入り口には「沖田総司終焉の地」とある。沖田らが江戸に引き上げたのち、薩長軍が江戸入りする際に今戸八幡(後に今戸神社と改称)に移り療養していたのだという。境内に入ると良縁祈願の女子だらけで、送迎バスまで出ている。縁結びのパワースポットとして大人気らしい。招き猫の絵馬も飛ぶように売れていた。

右手上げの大招きが社殿に鎮座
パワースポットらしい
招き猫のひな壇
 帰りは隅田川に沿ってスカイツリーを眺めながら猫さがし歩きしていく。隅田公園一帯は痩せた野良が多く絵になる猫は少ない。猫おばさんが数人、野良トラを前に「対策会議?」をしていた。終着点近くの水上バス乗り場近くで、ようやく愛想の良い猫に出会えた。

あいさつしてくれた隅田公園の猫