2009年4月12日

瑠璃寺の薬師猫神様(長野県下伊那郡高森町)

 信州伊那谷にもりわじん作の猫神様(猫薬師)を祀る寺がある。天台宗大嶋山瑠璃寺(下伊那郡高森町大島山)は天永3年(1112年)創建で、2011年に開基900年を迎える古刹だ。わじん氏に制作を依頼して完成するまで1年9か月を要し、平成19年(2007年)4月1日から一般公開された。境内にある天然記念物の「枝垂れ桜」は源頼朝が寄進した桜で見所の一つ。ちょうど満開の頃を狙ってでかけた。

桜満開の伊那谷へ

4月12日 中央高速バスを利用して高森で降りる。JR市田駅からだとかなり遠い。ゆるやかに登り道を15分ほどで瑠璃寺に着いてしまう。散り始めているが枝垂れ桜が圧巻である。薬師猫神様を拝観するため瑠璃の里会館へ。ホール右奥のお蔵に猫神様は鎮座していた。白壁に妖しい光が猫神様を包んでいる。涙でうるんでいるかのような慈悲深い目だ。口元はきりりとしてかつての養蚕の守り神たる猫神の威厳が感じられる。猫神様を中心に左右に日光・月光、手前には十二神将の猫神が並んでいる。座の下には眠り猫神もいた。

 写真撮影は禁止なので、「もりわじん」作品を猫町通販で購入した際にもらったカード(ポストカードではない)の「薬師猫神様」をアップする。


これが「薬師猫神様」

 夜は宵祭りの獅子舞が披露されるとのことで、桜見物客も徐々に増えてきた。枝垂れ桜や鐘楼わきの地主桜(これも頼朝寄進)を愛で、瑠璃寺の周辺を一周してみた。何よりも南アルプスの展望がよく、心が飛んでいきそうだ。一番鋭利な山頂は塩見岳だろうか。眺めがいいと知らず知らずに時間が過ぎていく。名残惜しいが中央高速の高森バス停に戻り予約していたバスを待った。帰路はそれほどの渋滞もなく新宿に着いた。伊那谷には養蚕神としての猫碑も多いと聞く。いずれ時間をとって訪ね歩いてみたい。


源頼朝寄進の枝垂れ桜(天然記念物)
これも頼朝寄進の地主桜
瑠璃寺から南アルプス遠望