1998年12月6日

「ヤマネコ山遊記」開設1周年記念・ヤマネコインタビュー

◆ヤマネコさん、開設1周年おめでとうございます。

「あっという間の1年だったニャ。しかし、問題はこれからだな。だいたい個人の(山の)HPは、開設1〜2年たつとそれっきりというのが多いんだよね。ネタ枯れというか、とくに山行報告中心のページは、仕事に追われて山へ行けなくなるとプッツン。ヤマネコの場合は大丈夫だけど」

◆というと?

「過去300回以上の山行メモが大部分残ってるからね。今のところ70本の記録しか出してないし、昔の記録をちょぼちょぼ追加していけば3年は安泰だニャ。どうせ最近は年10回も山に行かないから」

◆そういうの、アリ? 20年前の記録なんてネコマタギもいいとこじゃないの?

「そうじゃニャいのよ。『ヤマネコ山遊記』は、バリバリ現役で登ってますよっていうHPじゃないの。私は今までこうやって山を遊んできましたという、言ってみれば遊びの自分史代わりなんだから。最近、年譜付きの自分史をネットで公開するのが流行しているらしいし。そうだ、“古いが新しい”なんてキャッチフレーズどう?」

◆自分史なんてジジ臭くない? もっと頑張ってもらわにゃ。

「仕事柄、金曜日は午前様なんだニャ。月曜日もフル回転だし、山へ行く環境としては最悪……おっと、ニャーニャー言っても始まらないか。まあ、少しは変なとこ(沢)載せていくけどね。誰も行かないドブ沢シリーズとか!? でも、仕事抱えて山もガンガン登り、HPも随時更新していける人は一握りじゃない? 最近は山関連のHP数が一時ほど増えていないのが気になるな。それに比べると釣り関連のHPは元気で、山の2倍以上の数がある。山同様、奥が深いけど、エネルギーもすごい。猫ページも多いんだけど、ただカワユイ自慢だけだと見る気がしない」

◆それ、猫飼えないヒガミ? ところで面白い山のHPの条件は?

「人それぞれだろうけど、自分自身の登り方をどうアピールしているかが第一かニャ。ただ百名山をなぞっていても仕方ない(百名山ファンの方ごめんニャ)。ヤマネコの場合は、猫下ろし(食い残し)的な静かでマイナーな山に興味があるから、山行形態も結果的に沢登りが多くなってしまう。難度追求タイプじゃないからハードな遡行はしないけど、やさしい沢でも面白くつないで、岩登りで言うルートラインの美しさというか、面白い遡下降ルートにこだわってみたい気はまだある。もう一つは、山プラスアルファにこだわりがあることだろうかニャ」

◆わかる。山菜、イワナ釣り、キノコ、高山植物、写真とか?

「そう、何でもいいんだナーゴ。焚き火、ブナとか昆虫でも。ヤマネコは蝶やトンボの採集が山登り前段階だったけど、もう採集はしていない。かつて昆虫少年だったという山屋さんは多いニャ。蝶好きが高じて山岳会名になったりする。ゼフィルスとか……。ヤマネコだったら『パルナシウス山の会』がいいニャ。パミールで、優雅に舞うパルナシウス(ウスバシロチョウの仲間=氷河時代の遺物といわれる蝶)を見たときは胸が高鳴ったニャン。東北や越後の山で出会うベニヒカゲも愛らしい。話が飛んだけど、ヤマネコのプラスアルファとは、知っての通り『猫』だニャ。そのへんの経緯はすでに書いているから省略するけど。山と猫を結ぶ“点と線”は、当初考えていたよりも複雑で、けっこう奥が深いって感じ。今までは民俗学、動物学、妖怪学などの分野でそれぞれ断片的に言われてきたことを、山好きの視点も加えてつなぎ合わせてみると面白い『猫山学』が生まれそうだぞ、マイナーだけど」

◆いろいろ勝手に盛り上がってきましたね。最後に2年目の抱負を。

「とりあえずは“古いが新しい”シリーズを少しずつ追加していくこと。殴り書いたノートから復元するので大変だけど、忘れていたことが蘇ってきたりして懐かしい。やっぱり山行記録は丹念につけておきたいもんだニャ。表紙デザインは、テーブルが複雑すぎて何とかせにゃ。貧弱なタイトルロゴも変えたい。それと近々『西新宿招き猫通り』シリーズ始めるんだニャ。これは猫ページへと大化けする布石になるかもしれん」

◆来年も「ヤマネコ山遊記」からは目が離せそうもありませんね。

「ニャ」
                (このインタビューはもちろん架空のやりとりです)