1997年12月30日

日本山岳ルーツ大辞典で大発見?

 年末29日に、書店の山岳コーナーを覗いてみたら「日本山岳ルーツ大辞典」(監修・池田末則、編著・村石利夫)という大冊があり、買ってしまった。竹書房の新刊で19000円は少々痛かったが、その山に関する民話も載っているということで、猫と山のかかわりを調べるのに役に立ちそうだ。

 一般に猫山などの山名の「猫」という字は単なる当て字で、実のところ猫とは縁もゆかりもないのがほとんど。しかし、この辞典を開いてビックリしてしまったことがある。「ヤマネコ山遊記」の沢登り記録にも出てくる「山猫森(1034m)」のルーツについて、同辞典では「この山中には鳥や魚を捕らえて生きている獰猛な山猫が棲息している山名」と明記している。

 これは大変なことになった。ルーツのルーツを辿る必要がありそうだ。山猫といっても野生化した猫という意味なのだが、山名に使われるどういう事情があったのか、興味深い。地元の地誌を洗う必要がある。

 あの猫又伝説のある猫又山でさえ、「ネコは峰の意味でマタは間とか二つの谷という意味」だなんて、そっけない。せめて「猫又が棲むとの伝説から名付けられた」などということを期待していたのに。

 結局、猫とのかかわりを示す山名は、この辞典では山猫森だけだった。もっと民話や伝説も参考に解説してほしかったが。とりあえず本腰を入れて猫と山のかかわりを追究すべき使命を、このホームページに与えられたと解釈し、今年最後のネコクサ通信を終えます。