2011年最後の猫シリーズは大分県別府市近郊の猫が岩山へ。722mのピークはわずかに自衛隊十文字原演習場内に入るため、安全性を考慮すると年末年始がベストだ。昨年は悪天と積雪のため計画を断念していた。
防火帯を登る
登る人は少ないようで南側の高平山(830m)から往復するのが一般的だが、アフリカンサファリ行きのバスを利用して北側から猫が岩山を登ることにした。往復はつまらないので南下して高平山、狸峠を経由して明礬温泉に下りることにする。演習場側は広大なカヤト原で、官民境界線の防火帯が登りやすい。
やたらとイノシシの足跡が多い。注意していたら、いきなりウリ坊が林の中に逃げていった。頂上の展望は素晴らしく別府湾を望むことができる。「猫が岩」という山名は、鎮西八郎為朝に退治された山猫の伝説に基づいている。
鎮西八郎為朝の山猫退治
その昔、明礬の先の湯山に旅人を襲うなどの凶暴な山猫がいて人々は困り果てた。嘆願されて山猫退治を引き受けた為朝はある夜待ち構えていると、青光りする目の怪物が現れた。矢を放ったところ怪物の額に命中し、恐ろしい悲鳴とともに山に逃げていった。追っていくと頂上で山猫は鮮血を流して石と化していた。それ以来、この山を猫が石山と呼ぶようになったという。
山の位置に疑問も
頂上に点在する岩には、うずくまったような猫の形をしたものは特に見当たらない。伝説では猫が岩山を850mの山としており、湯山から見ても位置的には高平山なのだが、かつてはこの山も含めて猫が岩山と呼ばれていたのかもしれない。高平山は地図に記されておらず、その可能性はある。ただ高平山にも猫に似た顕著な岩はなかった。
岩が点在する猫が岩山頂上 |
高平山の登りから猫が岩山を振り返る |
高平山から別府市街を望む |
狸峠手前のピークから高平山 |
狸峠から道標に従い、やや不明瞭な道をところどころ右往左往しながらも明礬温泉へと下った。あまり使われていないようで、意外にも「明礬山の湯」の裏手に出たところ「この先危険につき通行禁止」の表示があった。山の湯は混んでおらず湯加減もちょうどよかった。
狸峠の道標 |
明礬山の湯 |